竹の寺おくりさんからあなたに贈る「心の響く禅のことば」op.3

2019-12-03

無事是貴人(ぶじこれきにん)

遅い紅葉を待ち侘びているうちに、気が付けばもう師走(しわす)となっています。今年は御代替り(みよがわり)があり、私達日本人にとりまして大きな節目の年でございました。皆様に於かれましても、ご家庭で、或いは、個人として、様々な出来事がおありだった事と思います。それは慶事ばかりではなく、悲しい事、辛い出来事であったかもしれません。

四季の彩り豊かなこの国に生きる私達には、季節毎に節目を感じ、気持ちを新たにするという先人から受け継がれてきた智恵と感性があります。とりわけ年末年始は大きな節目で、一年を振り返って感謝と反省をし、一夜明ければまっさらな気持ちで、希望をもって出発できるという素晴らしい智恵と感性です。

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。

鴨長明「方丈記」の冒頭部分です。この世は常に移り変わっており、同じ状態がいつまでも続くことはないのです。家族と笑顔で美味しい食事ができた今日この日、朝「行ってらっしゃい」と送り出した人が「ただいま」と帰って来られる今日このとき。実は決して当たり前ではなく、その一瞬一瞬が二度とは来ない時間なのです。私達はその事を知っているつもりですが、つい忘れがちです。年の瀬に際して今いちど再確認しましょうということで、色々ありつつも、ともかく生き延びたあなたさまにも私にも、この言葉を。

「無事是貴人」     この1年の感謝を込めて

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