お寺とは

2016-11-20

地蔵院は寺です。寺とは仏様を拝むところです。寺には、仏様をお守りするために住職がおります。住職の一番大事な仕事は、仏様にお香を焚き、お蝋燭を灯し(お灯明)、お花、其他のお供えをして、お経をあげて、礼拝(らいはい)することです。そして、仏様のおわします環境を良くするために、境内地の整備をし、掃除をします。その繰り返しが、何十年何百年となると、それが歴史的景観となったりします。仏像や境内が、文化財的価値があるといわれるのは、ただひたすらに仏様のために来る日も来る日も、代々の住職が仏様をお守りしてきた結果なのです。

この文化財的価値という表現は、じつは、住職にとって微妙な気持ちにさせるのです。住職にとって仏像は、モノではなく仏様。拝む対象です。開山・開基の肖像画も、木像も、本堂や方丈も、みな仏様を拝み、お守りし、偉大な先人を尊び、また、自らが日々修行するための大切な宝です。

紅葉の時期になると、たくさんの方が参拝されます。どうぞ、おまいりください。しかし、この紅葉は、ご本尊地蔵菩薩様はじめ、宗鏡禅師や細川頼之公の菩提を弔うために、境内地を整える結果としての景観です。皆様には、ぜひ、そのことを踏まえてご参拝ください。

地蔵院は寺です。遊園地でもショッピングモールでもありません。

小さなお子さまをお連れの方は、この機会に、ぜひ、手を合わせて拝むことを教えて上げて下さい。感謝の心、謙虚な心を教えて上げて下さい。騒いでも良いところといけないところがあることを、走ってはいけないところがあることを教えてあげてください。

社会で成功された方も、辛い気持ちの方も、地蔵院に来られたら、その心に覆いかぶさる重い荷物をいったん横に置いて、お地蔵様に手を合わせ、葉擦れの音、鳥たちの囀りのみを聴いて、静かなときをお過ごしください。仏様の前では、格好をつけることも、威張ることもできません。愛想笑いもお追従もいりません。こびりついているそれらを自分の心から追い出してみてください。仏様の無量(無限)の大悲を皆様に感じていただきたい。自分一人の力で生きているのではないことを感じ取っていただきたい。

地蔵院は、そういうことのお手助けができる寺でありたいと思います。

 

コメント2件

  • まあ | 2016.11.25 11:21

    この文章にハッと気づかされました。
    ありがとうございます。
    私は、京都の紅葉を観るというのは
    第2の目的にすぎないのですね。
    先ずは寺社仏閣や、神社にお参りすることが
    第一で、そのお庭や敷地に有る木々の紅葉は
    おっしゃる通り、まつられた方々に対するものであり、私たちはその事を忘れずにお参りするようにしたいと思います。
    きちょうなお話ありがとうございました。

  • おくり | 2016.11.25 11:39

    まあさま コメントを賜り御礼申し上げます。私どもの心をお受け取りくださって本当に嬉しく存じます。ありがとうございました。

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