地蔵院の「十六羅漢の庭」について

2017-04-29

地蔵院の、ただいま修理中の方丈前には、平庭式枯山水庭園がございます。地蔵院第二世住職・宗鏡禅師作と伝えられ、細川頼之公遺愛の庭とされております。実際には、応仁の乱で焼失して作り直し、その後も荒廃して、江戸中期・貞亭三年(1686年)に古霊和尚が方丈を再建された際に、この庭も再整備されたと見られます。おそらく庭の形式は、元の姿に則って作庭されたと考えられます。

この庭は、形式は平庭式枯山水庭園で、鑑賞方式は書院式庭園です。

平庭式とは築山などの起伏のない平らな面の庭のこと。そして、枯山水とは水を用いずに石や砂で表現しているものです。慈照寺(銀閣寺)さんや龍安寺さんのお庭を思い浮かべていただけると、それが枯山水のイメージですね。枯山水は主に応仁の乱後に盛んになったと言われています。地蔵院の庭には、五葉松はじめ木々が多く、地面には砂は敷き詰められておらず、全面、苔で覆われています。点在する自然石で表現されているのは、山や森の風景ではなく、羅漢さんです。十六羅漢といえば、もうそれは、それぞれとても偉い方々なのですが、地蔵院のお庭の羅漢様方は、目下修行中で、あとひといきで悟りを開くところまできておられ、「どうぞ仏になれますように」と石清水八幡宮に願をかけるのに、皆、八幡様の方角(地蔵院から見ると南東)に少しずつお身体を向けていらっしゃる~そのような様子をあらわしていると、伝えられています。

そして、この庭は、書院式または座視観賞式といって、部屋の中から(坐って)鑑賞するように作られています。庭によっては、回遊式といって庭園内を歩いて見てまわる方式もありますが、地蔵院の庭は、中を歩く形式ではありません。よく、「なぜ、中に入れないのか?!(ケチ!)」みたいな御叱りを受けるのですが、日本の庭園には種々の方式があるということをご理解ください。

只今は、その坐して観るための方丈を修理中で、十六羅漢の庭は、お外で、端から立って観ていただくしかありません。誠に申し訳なく思いますが、秋までどうかお待ちください。そして、再建なった方丈に上がられたときは、ぜひ、静かに坐って、庭をご覧ください。

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